いつの時代も、住宅の外廻りや庭が、日常生活を支える大切なものであることは変わりません。住む人の嗜好や、時代の流行り、商業製品の変化でデザインや仕様は変わりますが、エクステリアとして普遍的な機能や品質はけっして変えてはいけないものです。外構・庭をつくる時、特にどういった点を注意をすれば良いか、具体的に設計とデザインを用いてご紹介します。エクステリア業務に関わっている人もぜひ参考にしてください。
第一回は、辻元流エクステリアの基本的な考え方を説明します。
以下のような住宅があります。あなたなら、どんな外構のイメージを描きますか。
ではこの住宅に対して、サンプルを設計して説明しましょう。 テーマは「家の個性と、庭が溶け合ったスタイリッシュなファサードデザイン」です。
この設計のポイントとなるのは、
1)建物との調和 2)引き戸の機能的なデザイン 3)印象的な色 の3点です。
引き戸は門柱からガレージまで自由に移動します。引き戸の門柱カバーはブルーをつかってアクセントカラーとし、ガレージ側の引き戸柱・壁の引き戸金具・レールが、外構のアクセントになります。
引き戸を中央(壁に重なる位置)にスライドすれば、アートウォールの装飾となります。ブルーがアクセントカラーとなり、外構全体を引き締めます。この引き戸が移動することで、今までなかった動き(あそび)のある外構になります。これがこの外構設計の最大の特徴です。
この続きは、また次回に。
1942年生まれ
「エクステリア」が周知される以前より住宅の外廻りに魅せられ独修。機能性を重視した独自のデザインを乞われ、エクステリアメーカーの門扉・フェンス等のデザイン開発に関わる。
大手ハウスメーカー モデル住宅のエクステリア設計を多数手掛け、個人住宅の庭・造園 エクステリア設計の第一人者との評を受ける。
1984年 エクステリア・造園 設計事務所 SUTADIO dim を設立。大阪国際花の博覧会(郷土デザイン部門)最優秀賞受賞。近年はエクステリア・造園を志す若手の教育に力をそそぐ。