庭にかかわる読み物いろいろ
大塚紀雄の庭コラム
第1回 ロックガーデンの工事過程
外構工事の施工工程はどんなふうに進められるのか、興味はありませんか? 今回は、ロックガーデンの小さな庭(4M×2M)に佳月を据付けた工事の過程を、写真とともにご紹介したいと思います。 2年前に外構工事とデッキ工事をさせていただいた姫路のお客様宅に、ロックガーデンを施工することになりました。
道路から見たお宅のようす | 室内からデッキを見た景色 |
ガレージ奥とデッキの間に小さな庭(坪庭)をつくることになりました。ガレージが殺風景であるのと、目隠しのためのデッキの裏面が目立つのを、柔らかく自然な印象にすることを目的としています。 お客様の理解もあって、予算以外は全てまかせて頂きました。
ガレージ門扉から見た様子 | ロックガーデンのスペース |
さあ、工事の開始です。こちらのお宅は、ガレージ間口も広くトラックが現場近くまで入ることができました。 まずは、掘削(地盤の堀り)から。
庭部分になる既存のガレージ土間コンクリートを切断しています。
庭で使う石です。4m×2mで使うには沢山ありすぎるようにみえますが、庭の形を整えるために、ここから選びだした70%ほどを使います。後ほど出来上がりをみて頂いてもそれ程たくさん使っているようには見えません。ひとつづつ、形を考えながら選択して埋めて行きます。このバランスが職人のテクニック!
石をレッカーで吊り上げて納めます。手前右の人がレッカーの操作中です。
デッキまで石を並べ終われば、間に砂利をつめます。
アプローチの石もほぼできあがり。 まわりを植栽していきます。
メインはコニファーで、足下には蘭やハーブを植えています。 この現場では、奥様がガーデニング好きでいらっしゃったので、お気に入りのお花も植えていただるよう少しスペースを残しておきました。
先ほどの石の量と比べても、そんなにたくさん使っているようには見えませんね。 それは、石が半分以上埋まっているからなのです。
ついに最後、オブジェの佳月の据付け作業です!
↑うーん、この角度はちょっとバランス悪いですね~!
角度を変えて再度検討です。
図面上ではわからない印象も、現場で臨機応変に対応していきます。
この角度、バッチリです! 角度が決まれば土台の埋め込み処理をして完了です。
↑ガレージに立って正面から見た角度です。 アプローチからみた角度。
これが佳月のフォルムです。 デッキからは棚の中のお地蔵さんが見え、時にはプランターで花を楽しめます。 もう一度見比べてみましょう。
■ロックガーデンがない状態
■ロックガーデンが完成し、まだ佳月がない状態
■完成時
庭と呼べないほど小さな空間でも、坪庭として計画し施工すると、こんなにも魅力的に変わります。お庭でのひとときが充実したものになりますね。
さて、この現場、どれぐらいの時間がかかったと思いますか?
実は、職人さん4名・1日の完結工事で、作業費用をおさえることができました! もちろん、それだけの準備と段取りをしてからこそ。施工材料を積んだトラックにクレーン付きのものを使用し、車の台数も減らすことができ、かつ作業効率をあげています。
いかがでしたか? ロックガーデンの施工工程。 外構を検討する際の参考になったでしょうか。 これからも、いろいろな現場の様子をご紹介していきますね。
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