庭にかかわる読み物いろいろ
辻元史郎の庭コラム
第5回 庭設計の基本 スケッチでイメージ
辻元史郎が語る、外構・庭のとっておきの話5回目。今回は庭編の3回目です。
これまでに平面、立面や断面の図面検討をご紹介しました。今回はスケッチデザインの残りをお話します。
オブジェや植栽など、庭の構成物が存在を主張するのではなく、それぞれの役割のもと互いに引き立て合う風景づくり。これが庭造りの基本です。
調和、統一、リズムや距離感などは、ものづくりには不可欠の要素です。こういったデザインの変化は、みる人の心を期待感で膨らませます。
「庭設計の基本」の回にご紹介した「3つの要素のつながり」が、ひとつの庭として表現されているのが確認できると思います。部分は全体につながり、全体は部分のコンセプトでひとつになる。見る位置によって全容を見せず余韻を生み出し、かつ風景を変化させます。
こういった「粋」な見せ方が、とても重要なプロの技。そこに生活する施主が、作る側とともに共起でき共有する庭空間となります。
先に延べたように、デザインをすることは、主には平面によって検討されるも、立体的な構成も並行して計画される事が肝要です。デザイン精度を高めるため、図面に書いた庭を脳内で歩き回り、断面をイメージし、ディテールやスケッチと多角的に検証し、プランニングされることが望ましいのです。これが辻元流、庭デザインの極意です。
以上3回に渡り、庭の基本的考えをサンプル図面で解説しました。次回からは、長年携わってきた現場の中から、事例をいくつか挙げてご説明したいとおもいます。思いもよらないようなプランやデザインを、ピックアップしてご紹介します。
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